フルFIRE民からみた「お金の限界」
お金の限界。
ちょっと略しすぎたかもしれないが、お金から得られる幸福度(効用)には限界があると感じるという事です。
私はFIREしたが株価は上昇局面の時期が長く金銭的には非常に余裕を持つことが出来ました。
世間一般的にいうお金持ちリタイア(ファットFIRE)ではありませんが、フルFIREしてから金銭的な余裕感を持った状態なのでお金から得られる対価について冷静な視点で見れるのではないかと考えています。
今回はフルFIRE民の私が感じた「お金の限界」について綴っていこうと思います。
世の中の消費はほぼ限界効用逓減の法則通り
限界効用逓減の法則は有名な法則だと思います。
極端ですが分かりやすい例を出してみます。
食費に1日500円しか使えない人が1日1,000円に上がると幸福度は大きく変わると思います。
ところが食費に1日10,000円使える人が1日20,000円になったところであまり変わらないでしょう。
前者は食費が2倍になれば飲食の選択肢が大きく増えるし、たまに外食することも出来るようになります。
後者は月30万円も食費に使える予算があれば不満など感じることはまずないと考えられるため、予算が2倍に変わったところで大きく効用が上がるとは思いません。
金額だけ考えると20倍も違うのに前者の方が幸福感が上がるのは限界効用逓減の法則通り、お金の量を増やせばその分幸福になるような事はないからです。
これは食費だけではなく住居、被服、娯楽、宿泊など他の分野でも同じです。
何にお金を使うと幸福度が高くなるのかは人それぞれなので、最も効用が高くなる配分で生活をする必要があります。
また贅沢は非日常的だからこそ価値があるので、日常化すればそれが普通になり有難みが感じにくくなります。
人間は飽きるという習性を持っているため、日常と非日常はうまく使い分けることが大切です。
タイも物価が上がっているのでバジルたっぷりのガパオライスは約500円。
ほどよい辛さと美味さがあり、一度食べるとハマります。
日々食べるならこういう気軽にいけて安く食べられる食事が良いですね。
ハイボール抜きで考えたら1食2,000円ぐらいの食事。
価格はガパオライスの約4倍ですが4倍美味いわけではありません。
美味さだけで勝負すればあまり変わらないかもしれませんが赤身のステーキを食べているという満足感はあります。
茶屋町の中にあるレストラン。
風情がある古民家でゆっくりコースを楽しめます。
確か1人12,000円のコース。茶屋町の雰囲気も良かったので人生経験のネタにはなると思う。
ディナーコースでガパオライスの約24倍の金額ですが、美味さだけで判断すれば2倍以上になることとはないと思います。
料理そのものより非日常的な体験としての価値になります。
お金があっても人生には制限と飽きがある
人間は「美味しい飲食を楽しみたい」「面白い経験をしたい」「外見を良くしたい」「承認欲求を満たしたい」「ずっと健康的でいたい」など願望があります。
お金があればほとんどの願望が叶うと考えている人は少なくないと思いますが、人生にはお金で買えるモノと買えないモノがあり、お金で買えないモノを手に入れるためには必ず努力や制限が生じます。
美味しい飲食ならいくらでも出来ますが間違いなく健康と体型は崩れていきます。
出来るだけ長く健康を維持したいなら健康的な生活習慣が必要になります。
外見を良くしたいなら体型を整える事が絶対条件なため食事制限が必要になります。
面白い体験をするためには体力・若さ・行動力やパートナーが必要になる場合があります。
承認欲求も人が惹きつけるモノがないと簡単には得られないでしょう。
特に健康は大切でこれが崩れると生活に制限が付きます。
長期入院になればどんなにお金持ちであっても出来る事は限られます。
お金だけあっても何でも自由になったり得られるものではありません。
また人間は飽きるという厄介な習性を持っています。
贅沢も有難みを感じなくなってきたら単なる日常になりますし、多忙の中で時間を創って長年楽しんでいたゴルフや釣りなどの趣味も毎日出来るようになると飽きてしまいますし、ハイブランドの服など身に付けて喜びを感じなくなってきたら、ただ値段が高いだけの服になるという事です。
飽きという習性を持っている以上、幸福に感じるためには絶えず何かを求めるか、幸福度が高くても利用頻度を限定して非日常として価値を保つかどちらかになります。
そう考えるとお金で得られる幸福というのはどこかで上限ラインがあり、そのラインを超えると幸福度はほとんど上がらなくなると考えられます。
お金の保有量も限界効用逓減の法則が働くと考えているため、自由なライフスタイルで人生を充実させたいなら経済的自立が達成した時点でお金では買えないモノを得るように努力した方が良いと思います。
お金で買える最大の価値があるモノは自由です。
断言できますがプライベートでこれ以上価値があるモノはお金では買えません。
おわりに
今回はお金の限界ということで上限のラインについて綴ってきましたが、お金の世界では他者と比較したところで上には上がいるのでキリがありません。
サイコロジーオブマネーで書かれていた男性のようにお金持ちで欲しいものはほぼ何でも買うことが出来て何不自由なく暮らせるのに「ビリオネアになりたい」とリスクを取り続けて大金を失ったり、最悪破産してしまう人は世の中では少なくないようです。
お金だけで得られる幸福には限界があるし、それを知ることは大切な事だと思います。