日本の自国通貨危機とスタグフレーション
1ドル150円というラインを超え、今や1ドル160円台になっても不思議ではありません。
本当に怖いのが今の水準で落ち着くようには思えず、1ドル180円、そして1ドル200円台の時代に突入とジリジリ日本円の価値が下がりそうな雰囲気があるところです。
日本の現状を考えるとスタグフレーションになる可能性が高いと考えています。
スタグフレーションとは「スタグネーション(景気低迷)」と「インフレーション(物価上昇)」を合わせた言葉であり、経済環境においてはまさに地獄のような状態です。
多くの人は給料は上がらないけど、あらゆる分野で物価が上昇する。つまり年々貧しくなっていくような状況である。
そうなると消費は完全に二極化していきます。バンコクなんて消費の二極化が分かりやすい都市ですが、日本の都市部でもそうなっていく可能性が十分あります。
暗い話になりますが、超円安時代とスタグフレーション時代の到来について綴っていきます。
日本は既にスタグフレーションに入っている説
金融緩和を継続すれば、主要各国が利下げ局面に入らない限り円安が続く。
利上げを決断すれば、国債の支払金利の増加や国債の下落、そして今より経済活動の低迷に繋がります。
ようは、どちらを選択しても待っているのは地獄です。
もう既に日本円暴落による利益を狙われているので我が国が日本円の統制を完全に失えば、どれだけ円安に動くか分かりません。
またほかの国は基本的にインフレ経済です。
日本円は価値が下落し、海外のモノやサービスの価格が上がれば当然輸入品の物価は上昇します。
需要が供給を上回るからインフレになる経済は良い循環ですが、ただ仕入れコストが上がるだけの経済では多くの人の給料が上がる見込みが低いです。
日本の実質賃金は24ヵ月連続マイナス、個人消費はリーマンショック以来4期連続でマイナスという状況なのは日本はもう既にスタグフレーションに入っているのではないかと考えてしまいます。
規制が入っているためか大手メディアではほとんど触れませんが、今の日本は深刻な状況です。
この連続マイナスがいつまで続くか分からないのが恐ろしいところです。
1ドル200円台の世界にいよいよ入っていくか
どこまで円安が進むか分かりませんが、1985年のプラザ合意時の水準まで戻ると仮定すると1ドル235円になります。
そんな水準に何年後にいってしまうのかは分かりませんが、ここまで円安が進めば今まで安価で食品や工業製品が手に入った時代は終焉を迎えそうです。
プラザ合意の時は1ドル235円で翌年には1ドル150円まで急激に円高に向かったので、日本円の統制を失えば同じぐらいの為替変動が起きても不思議ではありません。
短中期的にみれば、主要各国の利下げ局面に入れば円高に進むこともあるとは思いますが、長期的にみれば円安になるというトレンドで考えてよいと思います。
令和時代になってから日本は本当に激動の時代に入っているなと感じます。
実際、日本政府は急激な下落は望まないが、年々円安になることは容認(というか望んでいる)していると考えていると思うので、日本円の価値が下落することを前提にアセットアロケーションをする必要があります。
超円安とセットで語られる事があるのがハイパーインフレです。
ハイパーインフレを煽るユーチューバーは少なくありませんが、5年10年という期間であれば戦争か想像を絶する大災害にでも遭わない限りないと私は考えています。
それは日本が持つ莫大な純資産(企業や家計)、外貨を稼ぐ多くの品目(自動車、半導体など電子部品、鉄鋼、自動車の部分品、原動機など)があるからです。
そして日本は経常収支で黒字国なので問題は抱えていてもハイパーインフレに陥るとは考えられません。
ただ数十年後にどうなっているかは分かりません。
少子高齢化と人口減少により家計の純資産が減っていくと考えていますし、産業も他国に奪われる可能性があるからです。
おわりに
これは時代の流れであり、どうにもなりません。
個人レベルで出来る事といえば、資産防衛する事と稼ぐ手段を持っておく事ぐらいです。
円安になったときに相対的に価値が上がる資産(外貨、株式、不動産、貴金属・ゴールドなど)をしっかり保有しておくことが大切ですね。