資産形成で「稲妻が輝く瞬間」を逃さないために
市場に勝とうとすることは無意味である。
チャールズ・エリス著の敗者のゲームの帯になっているこの言葉は長く資産運用している人には響く言葉だと思う。
投資の最適なタイミングなど誰にも分からないから考えるだけ無駄ともいえるからだろう。
短期的に市場平均利回りを上回る(市場に勝つ)事はプロでも難しいことであり、一般人なら尚更という事です。
一般人が投資で利益を得る確率を高めるためには
①投資方針を決める事
・欲望に負けて投機に向かわないため
・恐怖に負けて市場から撤退しないため
②上昇期、特に稲妻が輝く瞬間を逃さない事
暴落時には恐怖との闘い、暴騰時には欲望との闘いが待っています。
投資をしていれば避けられませんが、投資で収益を得たいなら市場に居続ける必要があります。
その理由について綴っていきます。
ベスト30日を逃したら年収益率が約44%減
1980年から2016年の間で、ベストの何日かを逃した場合のリターンへの影響が紹介されています。
上記の期間でS&P500の年収益率は平均11.4%です。
投資をしていない人からすれば信じられない高収益率にみえると思いますが事実です。
統計を2023年まで伸ばしたらもっと収益率は高くなっています。
しかし上記の期間の上昇率のベスト30日を逃すと年収益率は平均6.4%まで下がります。
つまり約44%の収益を逃すことになります。
ちなみにベスト10日を逃すと年収益率は平均9.2%まで下がります。
37年間の中でたった10日間を逃すだけで約19%の収益を逃すことになります。
「だいぶ株価が下がってしまったな。これからもっと下がるかもしれないので投資金額を全て現金にして、市場が落ち着いたら投資を再開するか・・・。」
一見間違ってなさそうな判断にみえますが、かなり高い確率で稲妻が輝く瞬間に居合わせる事が出来なくなります。
また暴落を経験して「投資は難しい。私には合わないから止めよう。」と撤退してしまうと収益率が下がるのではなく、全く得られなくなってしまいます。
稲妻より頻繁に来る「上昇期」も逃さないように
稲妻が輝く瞬間は滅多に来ませんが、2~3週間ぐらい短期間で代表的な株価指数が7~10%ぐらい上昇するという期間の機会は少なくありません。
稲妻が輝く時は多くの人にとって暴落時の大きな反発という認識になり、投資するタイミングとしては躊躇います。
しかし上昇期というのは日々じわじわ上がってくるので「この波に乗り遅れたくない」と投資が活発になります。
上昇期も稲妻が輝く瞬間と同じで市場に居合わせる事が大切ですが、欲望に負けてリスクを取り過ぎないようにすることも大切だと思います。
この証券口座は株式(日本含む先進国)が約55%、J-REITが約20%、インフラファンドが約5%、残りは債券とMRF。
J-REITが足を引っ張っている状態でも上昇期になると3週間(営業日で15日間)単位で見てもプラスの日々が続きます。
おわりに
現在の管理通貨制が機能している間は「長期的に見ればインフレに向かう」という大原則は維持されると考えているので人生において資産運用している方が経済面では有利になると言えます。
株価が気になって日々ストレスになるとか、どうしても投資に向かない人は仕方がないと思いますが、ITが発達して資産運用という稼ぐツールが一般庶民にも使えるようになったのだから、このツールを使わないほど勿体ないことはないと思います。