日本もいよいよデフレ脱却の時代が来るか
長い間デフレにより経済成長しなかった日本ですがここ数年間で物価は上がってきています。
2023年6月の生鮮食品を除く総合指数は105.0で、前年同月比で3.3%上昇しました。また生鮮食品とエネルギーを除いた総合指数は4.2%上昇しました。
これは消費税導入の影響を除くと1981年9月以来41年6か月ぶりの伸び率と言われています。
私自身インフレという状態を日本で経験したことがないのですが、これが望んでいたデフレ脱却なのかと言われると違和感を感じますし、多くの日本人もデフレ脱却したと喜ぶ人は少ないでしょう。
これからどうなっていくか考えてみたいと思います。
引き続き2024年もインフレになる見込み
国内企業物価指数は2020年平均を100とした場合、2021年には104.6、2022年には114.7となっています。
2023年6月には119.0と過去最高だった2023年4月から横ばいとなっています。
前年比で上昇率を見ると2021年は4.6%だったのに対し、2022年には9.7%へと大きく上昇し、その後も高水準で推移しています。
日本では消費者物価指数より国内企業物価指数の方が高いため、いずれは市場で販売される価格に転嫁されていくと思いますし、円安の影響も大きく響いて2024年も引き続きインフレになると予想しているアナリストは複数います。
ただ価格を上げても売れなくなって売上高が減るだけと判断している企業も少なくないので品質や利益、また人件費を削って価格維持や値下げを断行する企業もあると思います。
ウクライナやイスラエル情勢次第ではありますが海外製品や食料・資源の高騰するリスクの方が高いと思うので多くの企業にとっては価格維持は相当厳しい選択だと考えています。
企業側のコストカットも限界があるので日本はまだインフレが続くのかなと私は考えています。
好循環のインフレ?悪夢のスタグフレーション?
政府としては物価が上がり、給料も上がり、金利も正常化する好循環のインフレを望んでいますが2024年にインフレに負けないぐらい給料が上がる社会人は何パーセントになるのだろうか?
価格交渉力が強い大企業の犠牲となる中小零細企業も多いだろうから過半数の社会人は給料が上がらないと考えています。
総務省は9月の家計調査を発表し、1世帯(2人以上)当たりの消費支出が28万2969円となり、物価変動の影響を除く実質で前年同月比で2.8%下回った。
減少は7カ月連続となったと聞く限り、とても好循環のインフレになるとは思えません。
大企業勤務者の多くは給料が上がるけど、それ以外の社会人は給料は変わらないか下がる可能性が高いと思います。
年金や資産収入で生活しているリタイア者も収入が増える要因がない。
こう考えるとスタグフレーションになってもおかしくありません。
おわりに
良い意味で使われるデフレ脱却ですが、実態はただ日本円の通貨の価値が下落し続けてモノやサービスの価格が上がって90%以上の人が生活が苦しくなる社会になっていきそうな気がします。
だんだん日本は先進国という枠から外れて東南アジアの国々の水準に少しずつ近づいているように感じてしまいます。
東南アジアは外国人旅行者として過ごすなら良いですが、一部の上位層以外は恵まれない社会なので日本はそこに落ちて欲しくないなと考えています。