何歳がフルタイム労働卒業の適齢期なのか?
2023年にAlba Linkが男女働く500人に聞いたアンケートでFIREをしたいと答えた人に、その理由を聞いたところ「仕事・会社から解放されたい」(137人)がトップ。
次いで「時間を自由に使いたい」(106人)、「好きなことをして暮らしたい」(53人)、「働き方を選びたい」(36人)、「面倒な人間関係から解放されたい」(22人)と続いたようです。
FIREムーブメントは下火になったとはいえ、20~40代中心にFIREは1つのライフスタイルとして認知されるようになりました。
働かない(もしくは働いても非課税世帯に該当する程度)生活するならフルFIREやLean FIREができる金融資本(Lean FIREならプラス倹約スキル)、他のFIREなら金融資本以外に人的資本が必要となります。
自分の目指すFIREが達成次第フルタイム労働は卒業とはなるのですが、理想的な年齢で理想的な資本を積み上げるというのは中々難しいことであり、どこかですり合わせが必要になる時が来ます。
FIREだけではなくセミリタイアする人でも悩むフルタイム労働を辞める最適な年齢について考えていきたいと思います。
【早期型】30代早期リタイアのメリットとデメリット
【メリット】
最大限若さを残して自由に活動する事が出来る。
少しブランクがあっても社会復帰しやすい。
【デメリット】
資本不足で辞めて無職歴が長くなると老いた時に悲惨な目に遭う可能性が高くなる。
周りの同世代と比べて焦りをより感じやすくなる。
メリットは分かりやすいですが、若さが残っている分だけ体力や気力も残っているし、社会復帰したいと考えた場合でも今の時代なら少しのブランクなら復帰しやすいです。
この年代でフルタイム労働を辞めるならサイドFIREかセミリタイア(バリスタFIRE)がお勧めです。
働かないFIREする資本を貯めるのは困難ですし、働きたくないと小資本・低支出生活を選ぶと一生涯その生活しか出来ないようになってしまいます。
また若者は実感がないと思いますが、30代というのは働き盛りとして全盛期ではあるけど、1歳年を取るごとに中年側になっていき、人生の可能性が無くなっていく感覚に陥りやすい年代です。
可能性があるからこそFIRE後に「本当にこのままで良いか」考えてしまうと思います。
若さゆえの悩みです。
【盤石型】50代早期リタイアのメリットとデメリット
【メリット】
現役で働く期間が長いため充分な金融資本を持って早期退職しやすい。
仕事に関してやり切った感が持ちやすく、未練がなく引退できる。
【デメリット】
若くない世代なのでもっと早く辞めればよかったと後悔する可能性はある。
給料水準を落とさないと再就職は非常に困難になる。
若くしてフルタイム労働を卒業する世代とはメリットとデメリットが逆転します。
50代になると一般的なアーリーリタイアに当たるので働かなくても生活できるフルFIRE、Lean FIREを目指している人は多いと思います。
多くの人が人生で収入が最も良いアラフォー・アラフィフ時代に資産形成が出来るため40歳過ぎてから本格的にFIRE目指して50代でリタイアという選択もありだと思います。
【バランス型】40代早期リタイアのメリットとデメリット
40代でフルタイム労働を卒業するのはバランス型だと私は考えています。
30代のFIREほど若さは残せないし、50代のFIREほど資本を積み上げた状態でフルタイム労働を卒業するわけではありませんが、本人にとってはバランスは良い状態で辞められると思います。
つまり他の世代ほど大きなデメリットがないというのがメリットです。
※逆に言うと大きなメリットは他の年代よりないです。
30代のようにサイドFIREは少なく、Lean FIRE、フルFIRE、セミリタイア(バリスタFIRE)が多いと思います。
FIRE適齢期は寿命とお金の価値の分岐点で決まる
「資産5000万円超えたらFIREしたい」と資産額を主軸として設計するか
「遅くても40歳までにFIREしたい」と年齢を主軸として設計するか
「資産2000万円+副業で年200万円でFIREしたい」と2つの資本を主軸として設計するか
人によりいろいろあると思いますが、FIRE適齢期の考え方について。
資産が増えれば増えるほどお金の価値は低く感じるようになってきます。
それは資産が増えれば増えるほど労働の対価として受け取る給料の価値が下がるという意味でもあります。
一方寿命は1日1日確実に減っていきますし、肉体がピークアウトすれば誰もが若さを少しずつ失っていきます。
資産形成するために働き続ければ、資産が増えるが寿命は減っていく。
きちんと資産形成していればどこかで寿命とお金の価値の分岐点に達する時が来ると思います。
フルタイム労働して得られるお金より自由な時間の方が大切だという分岐点です。
分岐点は人それぞれだと思いますが、その分岐点を超えて働きながら資産形成するより自由な生活を選ぶ決断ができた年齢がその人のFIRE適齢期だと思います。
仮に目標の資産に達成しても辞める事により失う不安が強くFIREに踏み切れない人はまだ適齢期ではないと考えても良いでしょう。
おわりに
40~50代でフルタイム労働を卒業する人は基本的には片道切符になるため、資本や年間収支など自分なりに検討に検討を重ねてFIREする場合が多いと思うので多くの人は大丈夫だと思いますが、若年層のFIREはかなりリスクを取って実行している人が少なくないなと感じる事はあります。
若年層の場合、30歳前後で転職する時に半年間ぐらい自由に思い切ってやりたい事をやり切ってみる体験をしてみるのは良いかなと思います。
半年間ならブランクほとんどありませんし、今の時代の30歳前後で社会経験ある人は戦力になる若者という扱いをされるから低賃金に追い込まれる事もないでしょう。
一度自由に生きてみてFIREやセミリタイアのような生き方が合っていると思うなら資本を積み上げて目指してみればよいのかなと思います。