1億円の価値の変化
日経マネーの調査によると株クラでは20人に1人は1億円以上になったようです。
確かにコロナバブルから今までの株価上昇は凄まじく、インデックス投信と同じぐらいの成績であっても、資産階層が1つ上がった個人投資家は多かったと思います。
日本では金融資産1億円は富裕層という位置づけになっていて、FIRE民や個人投資家にとって目指すべきラインにしている人は多いと思いますが、これだけ世の中の変化が早いと1億円の価値も昔とは変わってきていると思います。
今回は1億円の価値の変化について綴っていきたいと思います。
10年前の物価と比較してみた
上記のサイトを参考に10年前の日本の物価の変化を考えてみると、住居費を除いた生活費で20%から25%の間ぐらいは物価上昇しているのではないかな。
特にここ数年の飲食に関する物価上昇は凄まじいもので誰もが体感していると思います。
私含めて人生の大半がデフレ経済だった日本人は多いと思いますが、インフレ経済を体感したと同時に日本円の価値の毀損を痛感させられました。
ざっくりですが今の1億円は10年前の8000万円程度の価値に近いのではないかと考えています。
また海外に滞在している日本人だと日本国内より円安と現地の物価上昇を強く感じると思うので日本円の価値毀損をより強く感じると思います。
0円から億り人になる難易度の変化は?
10年前と比べてると1億円の価値が下がったのは分かったが、それならゼロから億り人になる難易度も下がったのか?
こう聞かれた場合、私は逆に億り人になる難易度は年々上がっていくのではないかと考えています。
足元の景気は悪くても株価は上昇し続けているので既に資産運用している人たちにとっては含み益を増やしやすい状況になっています。
パンデミックの頃から準富裕層以上の金融資産を運用していた個人投資家だけで考えればここ数年で億り人になれた人は多かったのではないかと考えています。
しかしそれはパンデミック前から充分な種銭があった人の話です。
これからお金を稼いで資産形成する人、つまり現時点で資産が少ない人にとっては株価上昇期でも恩恵はほぼないです。
難易度が難しくなる理由として、日本の物価上昇はまだまだ止まらないと思いますし、これから増税や社会保険料の増加により手取りが今より減る社会になっていきます。
インフレや税金に負けない給与を貰える会社に所属できる人も上位のみでしょう。
またSNSを使った個人起業も超がつくほどの激戦区なので億を掴めるのは一握りだろうし。
そう考えると種銭をつくる難易度が間違いなく上がるため、億り人になれる難易度も上がっていくだろう。
今でも1億円を運用すればFIREは可能
物価の上昇により1億円の価値が下がったとはいえ、一般的な普通の生活をするだけなら今でも十分な資産収入を得られる種銭になると考えています。
ネット上ではもう1億円ではFIREできないという意見は少なくないですが、現時点で平均的な会社員の支出で暮らせるならFIRE出来ると私は考えています。
管理通貨制度では通貨の価値が下がるのが一般的なため、モノの価値と比例して保有資産の価値が上がるようなアセットアロケーションを組むことによって収入源としての価値を守ることが出来ます。
おわりに
今の世の中はモノや収益になる資産の価値が上がっているため、持つ者が豊かになり、持たざる者は貧しくなる流れになっています。
私も1億円なんて若い頃は宝くじが当たらない限り手にすることが出来ないと考えていましたが、コツコツ働いて愚直に資産形成していれば、一般人でも不可能ではない水準だなと思います。
1億円を保有したいなら、まずは人的資本(労働)と積立投資で種銭をつくってください。
1000万円超える頃には資産形成に必要な収支管理は出来てきますし、3000万円超える頃には複利効果で資産が増えるスピードが明らかに早くなってきます。