経済的自立レベルを8階層にしてみました
FIREには定義がありますが、ざっくりしているために曖昧になっている点が多いと思います。
FIREといっても多くのタイプが存在して分かりにくいように感じる人はいると思いますが、経済的自立を8階層に分けてみると納得しやすくなるかもしれません。
今回は経済的自立のレベルについて綴っていきたいと思います。
【レベル1】資産30万円以上
まずは資産30万円以上でレベル1です。
資産が30万円未満だとレベル0となります。
単純に給料が入る直前に口座や手持ちを含めて30万円以上保有していればOKというレベルです。
大抵の人が1か月分以上、低支出の人なら2か月分以上の生活費になる金額です。
これを切ると破綻と隣り合わせで生活することになります。
給料を待てずに日雇いで食いつなぐ事をしなければならないレベルです。
1人暮らしなら大学生であってもまずはこの水準はクリアするように頑張りましょう。
【レベル2】資産100万円以上
次のラインは資産100万円以上です。
実は100万円という壁を越えられない世帯はかなり存在していて、30代でも2人以上世帯が37.3%、1人世帯が50.9%が100万円未満だと回答してます。
※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より
お金が入ってきたら欲しいモノを買ってしまい、貯金が出来ない人にとってこの100万円というのは資産形成において最初の大きな壁です。
ですがフルタイム労働で稼いできちんと倹約して支出の最適化が出来れば、難しいレベルではありません。
100万円を持っていれば、離職してもすぐには追い込まれない金額と言えるでしょう。
【レベル3】資産300万円以上
ここまで資産が貯まると1年間は無職でも何とかなる金額になります。
個人差はあると思いますが、資産形成すると300万円というラインから500万円台というのがかなり停滞しやすい金額だと思います。
余裕があるからついつい欲しいモノを買ってしまいがちになるからです。
私も300~500万円台でしばらく停滞していた記憶があります。
ただ一度突破するようになると大台まで遠くはありません。
300万円というお金は多少ゆとりを持って転職活動が出来る金額ではないかと考えています。
1人起業する人はこれぐらいの金額でも個人事業を起ち上げます。
【レベル4】資産1000万円以上 <中間目標値>
資産形成する人にとって1つの大きな目標である資産1000万円を超えるのがレベル4です。
資産1000万円は30代で13.6%、40代で20.1%、50代で22.4%なので現役世代からすればTOP20%といえる高いレベルです。
※同じく「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」より
この1000万円という目標は資産形成において中間目標値と言えるような重要な数値です。
中間といっても経済的自立するための最終目標の50%の数値というわけではありません。
ここまで積み上げ事が出来るなら資産形成するための収支のバランスが良くなっていると思いますし、それを継続する生活が何年も出来ているため、経済的自立を形成するために必要な条件の50%はクリアしたという意味です。
ただ資産1000万円ではよほど人的資本が太くない限り、FIRE生活は出来ないので更なる高みを目指す必要があります。
【レベル5】セミリタイア可能な資産
ここからは具体的な資産の数値ではなく数式のようになります。
資産収入+労働・事業収入>=生活費
この図式が成り立つならレベル5となります。
人的資本の収入は労働でも個人事業でもどちらでも構わないと思いますが、スモールビジネスが確立していない人は労働収入を軸に考えた方が無難だと思います。
レベル5の場合、バイトすれば生活できるけど、資産収入だけでは生活できないという水準です。
フルタイムで働く必要がないとはいえ、生活のために働かないといけないので経済的自立と呼べるかどうか議論になりやすいレベルです。
【レベル6】リーンFIRE可能な資産
リーンFIREが可能になるとだいぶ生活が楽になります。
資産収入>=基礎生活費
これが成り立てばリーンFIRE達成です。
基礎生活費とは生きていくために必要な生活費です。
衣食住だけではなく毎年必ずお金を使うなら美容室代、交通費、通信費、保険料なども含みます。
なので基礎生活費が年間200万円という人もいれば、年間500万円という人もいます。
生活を豊かにするゆとり費は捻出できませんが、生活するだけなら働かなくても良いというのがレベル6です。
この資産収入レベルが経済的自立といえる資産額となります。
個人的には独身者なら
資産収入(200万円)+労働・事業収入(100万円)で年間生活費300万円を予算としたライフスタイルがバランス良いかなと考えています。
倹約して基礎生活費を年間180万円まで抑えれば、それ以外に年間120万円が自由に使えるため、充実した生活が可能です。
これを実現するためには資産5000万円程度で可能です。
安全率を高めるなら資産6000万円まで資産形成出来れば余裕のあるリーンFIREになると思います。
嬉しい誤算で資産が予想以上に大きく増えたと感じる事が出来るのは準富裕層以上だと思うのでFIRE目指すなら準富裕層まで到達するとFIRE後の生活が楽になると思います。
【レベル7】部分的ファットFIRE可能な資産
リーンFIREとファットFIREの間にはかなりの差があるため、中間的なレベルを創りました。
資産収入>=基礎生活費+一部のゆとり費
ファットFIREほど完璧ではないが、ある程度ゆとり費まで資産収入で賄えますよというのがレベル7です。
ゆとり費とは旅行費、交際費、娯楽費、趣味、ちょっとした贅沢など生活を豊かにするための費用です。
部分的ファットFIREになると取捨選択することになりますが、働かなくてもゆとり費のリストの中でいくつかは選ぶことが出来ます。
たまにしか贅沢しない人ならフルFIRE民程度、かなり贅沢する人ならフルFIREとファットFIREの中間ぐらいが目安となります。
【レベル8】ファットFIRE可能な資産
最後のレベル8は完全な経済的自由です。
経済的な面では自立を超えて完全な自由を持っています。
資産収入>=基礎生活費+ゆとり費など全支出
お金を気にせず消費しても資産収入の方が上回るというFIRE民の経済力としては最高レベルです。
「そんな人が本当に存在するのか?」と思う人もいるかもしれませんが、東京には億単位で純金融資産を保有している富裕層が約29万人が住んでいると言われているので特にお金持ちの中でも上位層が多そうな街(六本木や麻布や自由が丘など)にいけば、そこら中で富裕層が歩いていたり、カフェやレストランでのんびり過ごしていますよ。
平均的な上場企業勤務の会社員ぐらいしかお金を使わない堅実なファットFIRE民もいれば、衣食住から娯楽まであらゆる面で贅沢しているファットFIRE民も存在すると思うので経済的自由といっても全然異なる生活をしていると思います。
同レベルでも必要な資産が異なるのがFIRE
FIREに必要な資産は年間生活費によるため、同じリーンFIREであっても、同じファットFIREであっても必要な資産額は人それぞれとなります。
年間300万円も使えれば十分人生を楽しめるという人もいれば、その10倍の年間3000万円ないと好きな事が出来ないという人もいると思います。
基礎生活費もゆとり費もライフスタイルや家族構成によってかなり差があるため、当たり前と言えば当たり前です。
自分にとって必要な基礎生活費やゆとり費の支出が低ければ低いほど、レベルが上がりやすくなり、支出面での満足度が高まります。
お金はあまり掛からないけど、向上性があって楽しめる趣味と自分が欲する社会的資本さえ持てば多くのお金は必要がないという事です。
おわりに
実際にFIREすると分かると思いますが、積極的にお金を使って旅行や娯楽など楽しもうと思わない限り、多くのお金は必要としません。
経済的自立を目指すなら、レベル6のリーンFIREが良い目標だと思います。
基礎生活費の設計さえ間違いがなければFIRE後の日々の生活でお金に困る事はまずありません。
ゆとり費に関しては労働や事業で稼ぐようにするか、更に資産形成してレベル7まで達成できるようするか検討してみれば良いと考えています。